今回は、小学生の子供たちの見守り隊で知られている、南花台防犯協力隊の皆さんに、発足の経緯や活動内容、今後の課題などについてのお話をお伺いしてきました。
初代会長高橋さん夫妻をはじめ、歴代会長さん、結成当時からのことをよく知られている隊員さんにも集まっていただきました。
上段左から 旭さん・森口さん・上田さん・矢野さん(3代目)・中本さん(現自治会会長)
下段左から 古川さん(2代目)・野口さん(現会長)・高橋さん(初代会長)・高橋さんの奥様
Q.南花台防犯協力隊の設立の経緯を教えてください。
発足したのは平成17年5月で、当時児童が巻き込まれる事件が連続していたことから、全国的に防犯意識が高くなり、南花台でも自治会からの呼びかけがありました。それに賛同した多くの住民ボランティアにより、児童を守るために結成されました。当時、自治会の会長をしていたということもあり、初代の南花台防犯協力隊の会長も兼任させてもらいました。
※設立時の経緯などをお話しされる、初代会長の高橋さん
今年で、11年目を迎えるのですが、この間に大きな事故や事件もなく、防犯協力隊の存在意義が表れていると思います。
Q.設立後、苦労されたことはありますか?
たくさんあるので、あげればきりがないのですが、結成当時は子供たちの安心安全を最優先にと、ボランティアで始めた活動ですが、パトロールするにあたり、個人的な出費が多かったことですね。例えば、現在では当たり前にパトロールしている青パトですが、設立当時は個人の所有する2台を改造して回っていました。その機材代なども負担し、提供してくださったのが、初代会長の高橋さんと2代目会長の古川さんなんです。その苦労があったからこそ、現在の青パトは、日本財団からの寄付により、専用の青色パトロール車として導入できました。また、最近では南花台自治協議会・南花台自治会の温かいご理解ある活動費助成のおかげで、金銭的個人負担無しで活動できています。このことは、他地区の学童見守り団体と比較しても大変恵まれていることだと思います。
現在は、学童の見守りのほかに、ゴールデンウィークや、夏休みにも定期的に防犯パトロールしたり、近隣で事件が発生した場合にも緊急出動できるようにしています。
Q.では、主な活動内容、活動していく中での思いやそれぞれのかかわりをお聞きします。
活動の基本は、「できる時に」「できる所で」「できる事を」
無理せずに持続できる活動だからこそ、11年もの間、ボランティア団体として続いています。
【主な活動内容】
①児童とのかかわり
【児童の登校・下校時の見守り活動】
【青色パトロール車での周回パトロール】
【様々な行事での交流】
【入学式参列・新1年生に防犯ライト付きブザーのプレゼント】
【様々な行事での見守り協力】
たくさんの子供たちと交流する中で、登下校時以外にも挨拶してくれたり、中学校へ行くようになっても挨拶してくれることが、とてもうれしいです。また、期末ごとに、児童からプレゼントをいただいたり、感謝の手紙をいただくことも活動の励みになっています。
※子供たちから感謝の気持ちを込めた「南花台子ども見守り隊とのつどい」の様子
②地域とのかかわり
【地区の自治会や関連諸団体との連携】
【地域の防犯、事故防止への取り組み】
結成当時からですが、自治協議会をはじめとする、地域の活動団体の役員も兼ねており、自治会や各団体の行事予定や協力要請を把握することができ、お互いに連携を取り合っています。
【地域安全センター・地域の防犯施設拠点】
【何かあれば警察など、関係機構に通報できる体制】
地域の安全、安心の拠点として、住民間の絆づくりのために、有志が自治協議会の支援を得て、平成21年12月に設立。住民としては、警察署に交番の設置を依頼していたのですが、近隣地区に交番があり、距離的な問題で設置できないことがわかり、南花台コノミヤさんの好意で、1部屋を提供いただき、交番の代わりになればと作ったものです。年末年始を除く、毎日10時から19時まで、ボランティアが交代で常に誰かがいる状態であり、防犯協力隊との連絡所にもなっています。
Q.今までの活動の中で一番印象に残った出来事はなんですか?
設立より、11年間の活動する中で、大きな事件や事故もなく、活動できたことが一番ですが、挙げるとすれば一昨年、『学校安全ボランティア活動奨励賞』として、文部科学大臣表彰を受賞することができたことでしょうか。
その受賞をきっかけに、昨年12月には愛媛県松山市で行われた文部科学省主催の『全国学校保健・安全研究大会』で、ボランティア団体として初めての活動報告を行うこととなりました。
※こちらはフォーラムで使用した、ポスター。活動内容を詳しくわかりやすく、説明しています。
また、その他『大阪府知事表彰』『大阪府警本部長表彰』『全国防犯協会連合会長表彰』を受賞しています。
最近では、設立に大きく関わられ、尽力されたということで初代会長の高橋さんの功績が認められて、個人ではありますが、『河内長野市市民表彰』も受賞されています。
※表彰式の様子
※初代会長の高橋さんご夫妻
ほかにも、昨年90歳の新隊員も誕生しました。この方は以前から自宅すぐ近くの交差点で見守りをしていたのですが、昨年、正式な会員になられたということもありました。
こうして、活動を見て協力してくださる地域の人が 増えていくことはうれしいことですね。
Q.では、今後の課題や、これからの南花台の町への思いをお聞きします。
課題としては、現在の隊員数が73名、発足当時に比べれば多いものの、最盛期の90名に比べると減少傾向にあるところです。また、発足当時からの隊員は80歳台になるなど、全体に高齢化しているのが現状です。防犯協力隊の意思を引き継いでいく、比較的若い隊員を確保していくことではないでしょうか。
将来的に見れば、地域の人口減少や自治会などの財政の縮小など、活動費が今まで通り確保できるかというところも生じてくるのではないかと思っています。
そのためには、児童への見守り活動の若い世代の親御さんへの理解や、周知も必要ですし、別の問題として学童保育からの帰宅時の安全の確保なども、もう少し地域の住民同士がつながり考えていくべきではないかと思っています。学校や、行政だけの問題ではなく、個人個人が自分たちの子供を守るためにどうすれば良いのかと意識すれば、もう少しよく変わっていくのではないでしょうか。
「できる時に」「できる所で」「できる事を」という活動の基本
つまり、現在の防犯協力隊の活動の基本そのものが、地域の皆さん1人1人の意識としてつながれば、今まで以上により、南花台の町が安心安全の町として認知されるのではないかなと思っています。
サポート事務局:防犯協力隊の皆さんの活動のおかげで、子供の安全が最優先されているんですね。子供さんや、お孫さんを持つひとりひとりが皆さんと同じ意識を持てば、さらに安心安全な住みやすい街へとかわっていくことができるのですね。
南花台防犯協力隊の詳しい情報や活動情報はこちらからもご覧になれます。
取材日 2016.11.28
[咲っく南花台サポート事務局]